質問・相談など、お気軽にご連絡ください
2020年1月15日、日本国内で新型コロナウイルス初感染が確認され約1年2カ月が経過しました。コロナ渦で迎える、2回目の3月です。
2月・3月といえば毎年各企業の採用活動が最も活発な時期ですが、昨年は新型コロナウイルス流行という誰もが予想できない事態に多くの企業、求職者へ影響がありました。
イレギュラーな事態に、例年のデータを参考に採用活動を進めていくことが困難であったと思います。
そんな2020年を乗り越え、コロナ渦でのデータを1年分収集できた現在、昨年と今年の1月~3月はどういった違いがあるのか調べました。
まずは全国の求人広告数です。(注1)
2020年1月:10,020,527件
2020年2月: 10,614,066件
2020年3月: 2,704,877件(注2)
合計:23,339,447件
2021年1月: 7,462,490件→伸び率-26%
2021年2月:697,535件 →伸び率-93%
2021年3月:2,210,796 →伸び率-18%(注3)
合計:10,370,821件
全体の伸び率は-56%。
感染の広がりを見せていた2020年3月と2021年3月の伸び率は-18.3%と1月・2と比較すると求人広告数は回復傾向にあるといえます。
次に働き方の変化について考えます。
昨年、感染拡大防止策として「時差出勤」という言葉を耳にしました。
出勤時間をずらすことで、地上交通機関での過密を防ぐ為の策です。
しかし、現在は「リモートワーク」「在宅」という単語の方が聞き慣れた言葉になったのではないでしょうか。在宅勤務は、感染リスクの軽減を目的として広まりましたが今では雇用主と労働者、両方にメリットが得られるため定着した働き方になりつつあります。
具体的なメリットをいくつか挙げていきます。
①経費の削減が可能
通勤の為の交通費削減やオフィス縮小により賃料が抑えられコスト削減につながります。
②時間の有効活用
通勤時間が無くなる分、仕事の時間に充てられる、プライベートな時間を確保することで趣味に没頭できる、家族との時間を過ごせる、通勤ラッシュによるストレスも無くなります。
③子育て世代が働きやすい
完全在宅勤務がOK、勤務地を選ぶ必要が無ければ配偶者の転勤で離職することや、通勤時間がない分、焦らず子どもの送迎が可能になる、子どもの世話をしながら仕事の両立が可能になります。
実際、上記働き方は如何にニーズがあるのか詳しくみていきます。
「リモートワーク」「在宅勤務」で検索した全国の求人広告数です。(注1)
2020年1月:5,976件
2020年2月:6,245件
2020年3月:1651件(注2)
2021年1月: 41,037件→伸び率587%
2021年2月:54,802件→伸び率778%
2021年3月: 16,175件→伸び率880%(注3)
全体求人広告数は減少している中で、在宅勤務やリモートワークの求人広告伸び率が非常に高いことから、出社をしない働き方、ライフスタイルに合わせた働き方へのニーズが高まっていることが分かります。
ITエンジニア、クリエイティブ系職種の求人広告数が2020年1月~3月第1週目で4487件、2021年同時期で40,301件、伸び率が798%と高い職種です。通信環境が整っていれば作業ができ、他職種より比較的自由度の高い職種であることが今回リモートワークへの移行が進んだ要因として考えられます。
最も伸び率が高かった職種は営業/事務/企画/管理で昨年4135件、今年55,860件で1251%でした。
意外に思う方も少なくないと思います。要因としてZoomやbellFaceといったWeb会議システムの普及によりそれまでリモートワークの普及率が低かった営業職の伸び率が最も高くなりました。
感染予防になること、移動をせず複数拠点と同時に話せることによる業務効率化、生産性の向上により営業職や事務職も活用するようになりました。
リモートワークへのニーズの高まりで企業様の求人広告の掲載方法も変化しています。
勤務体制を在宅勤務に変える、Web面接に変える事で、勤務地設定を全国に展開し幅広い地域で有能な人材確保に向けて採用活動を行う企業様が増えています。
この1年で働き方が変わった=企業様の採用活動方法が変わりました。
今後ワクチンによりコロナが収束へ向かったあと、例えば1年後、リモートワーク普及率は下がるのでしょうか。1年後のことは分かりません。ただコロナ渦の1年を乗り越えた今、データを元に傾向を知ることで予想を立てる事は出来ます。
時代に応じた変化が求められる中、常にアンテナを張り巡らすことでリアルタイムな情報を取り込んでいくことが大切です。
(注1)
HRチャート調べ
媒体名が「フロムエー,マイナビバイト,バイトル,タウンワーク,はたらこねっと,エン派遣,リクナビ派遣,とらばーゆ, はたらいく,アルキタ,イーアイデム,DOMO NET,求人ジャーナルネット,type,DODA,エン転職,マイナビ転職,リクナビNEXT」 のいずれかと一致する
(注2)3月は第1週目を集計
(注3)3月は第1週目を集計、比較
370605