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2022.02.21

DX化により、個人のキャリアに及ぼす影響とは。

 

DX化とは


メディアやニュースにもキーワードとして取り上げられ、人事担当者との会話でも度々話題に上がる「DX化」。ここ数年で耳にすることが増え、各企業コロナの影響もあり「DX化」への対応が加速しております。
そもそもDX化とは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。*¹」を指しております。

アパレル商品を中心にECサイトを運営するA社では、従来、店舗に足を運び自身の合うサイズ感を確かめて購入していたというビジネスモデルを、ネット上で全てを完結させ、誰でも手軽にどこでも購入できるビジネスモデルに変えることに成功しております。

上記のみならず、身近なところや見えないところでなぜDX化が進んでいるのでしょうか。

 

国際競争力を失い、経済損失12兆円という最悪なシナリオを描く「2025年の壁」


2018年9月、経済産業省は企業におけるDXの必要性と推進にあたる方針・対応策を詳しく記した「DXレポート」を公表しました。企業に対し「旧態依然の基幹システムを利用し続ける事が、社会全体の損失に繋がりかねない」とレポート内で警鐘を鳴らしたことがきっかけにより、各社対応が迫られております。

具体的には、下記4つが指摘されております。

1.  2025年、基幹系システムを21年以上稼働している企業の割合が社会全体の60%を占める。
2.  企業のIT予算の90%以上が、ランザビジネス(保守運用)予算に費やされ、バリューアップ(研究開発、業務効率化など)の予算が捻出できない。
3.  既存システムの保守運用にはコストがかかり、IT人材もそちらに費やされた結果、2025年の試算としてIT人材が約43万人も不足する。
4.  既存システムの老朽化やブラックボックス化に起因するトラブル・システムリスクが高まり、試算として2025年以降、年間で最大12兆円の経済損失が発生する。

以上のことから、2025年「IT予算・IT人材の不足」「国際競争力の低下」「システムリスクにより経済損失の発生」この3点が最悪なシナリオとして経済産業省は問題提起しております。これが「2025年の壁」と呼ばれているもので、この問題を解決する為に、各社DX化が進められております。

 

DX化の一例


※人事担当者向けに配信している内容のため、今回は人事部門内におけるDX化を一例として挙げさせていただきます。

<人事部門>

人事領域の中では、下記4点*²が挙げられており、その中でも従業員情報(定性面)を「可視化」し管理していく事が、今後の大きな役割と言われております。

人事領域のDXは単に業務効率化が目的ではなく、最終的には「可視化」した情報をもとに組織の生産性向上の実現が目的です。しかし、一朝一夕で実現できるものではないため、DX推進を成功させるには、全てを一気にデジタル化するのではなく、小さい範囲でのDX化を少しずつ進めることが重要と言われております。

 

DX化を推進する人材とは。


上述の通り、各社、各部門においてDXが推進されていることを述べましたが、「2025年の壁」で問題視されているIT人材不足が懸念される中、今後DX化を推し進めていくにあたり、どのような人材を採用することが望ましいのでしょうか。

<DX人材とは*³>

諸説ありますが、DX人材は一般的に下記のような人材を指しております。
▶デジタル技術とデータ活用に強い人材(≒技術職)
▶DX推進を社内で進める人材(≒プロジェクトリーダー)
▶DX推進の実行を担っていく人材(≒現場レベルで主導する人)
大きく「デジタルやデータに強い人材」「DXの推進ができる人材」この両方の人材がそろい、企業内でのDXを進めることができると言われております。

<DX人材に必要なスキル*⁴>

こちらも諸説ありますが、DX人材に求められるスキルは、一般的に下記を指しております。
▶IT関連の基礎知識
▶AIなど先進技術の知見と探求心
▶データ蓄積、分析能力
▶UI/UX思考
▶プロジェクトマネジメント思考
しかし、上述したスキルを持ち合わせている人材は「2025年の壁」からも多くはないと推測されます。そこで重要視されるポイントとしては、AIなどの先進技術などの「知識を積極的に吸収し、常に新しい技術はないか能動的に探す姿勢」、UIやUXといった「ユーザー目線で物事を考える思考力」、DXを推進するための「納期や予算、人材の配置などを管理するマネージャーとしての資質」この3点が挙げられます。

<DXを推し進めるために>

DXは単にデジタル技術を導入するのではなく、デジタルを活用した業務自体の変革(トランスフォーメーション)を伴うため、推進にあたっては全社を上げたコミットメントが必要です。一方で前述の通り、まず着手できることから進めるという観点で、これから企業としてDXを推進していくのであれば下記内容を実践していくと良いでしょう。
▶外部パートナーとの協働(オープンイノベーション)
▶社外からDX人材の獲得
▶社内にてDX人材への育成

運輸業を営むB社では、DX人材を社内育成するため教育プログラムを2021年4月より本格化させております。全社員向けカリキュラムの他、デジタル機能本部に特化したDX育成カリキュラムや、経営層向けカリキュラムを用意し、社内全体でDX化に取り組んでいます。

 

DX化が個人のキャリアに及ぼす影響


日本では従来、メンバーシップ型雇用*⁵を主流に採用が実施され、まずは会社のメンバーになってもらい適性を探していく手法を取っておりました。しかし、企業全体におけるDX化に伴い、ビジネスモデルが変化し、リモートワークなどが推奨されていった結果、まずは会社のメンバーになってもらうという目的が難しくなってきております。
DX化がより広がっていくにつれ、働き方も多種多様になると、これまでの採用の仕方が通用しなくなるため、今後は「ジョブ型雇用*⁶」が増えると言われております。採用活動の中でも見るべきポイントが変わってくるため、今後はより専門的なスキルや経験を有している方が重宝される時代に向かっていくと考えられております。
DX化を中心に変化が激しくなる現代社会に取り残されないためにも、今後のキャリアを考える個人には大きな影響を及ぼすと言えるでしょう。

 

最後に


近年、人事担当者様との会話の中で増えてきた、各部署におけるDX化。そのために「どういう人材を採用しなければならないのか」「どういうマインドをもった人材を採用すればよいのか」などのご相談をいただくことが増えております。一方で、その流れに併せて求職者のキャリアに対する考え方も変わってきておりますので、今現在DX化に伴った採用に悩まれている企業様におかれましては、今回の記事を参考にしていただきますと幸いです。

 

*¹出典元 経済産業省より 「DX 推進指標」とそのガイダンス

*²出典元 HRBrain社より 人事のDX推進【実践編】人事部門ではどのようにDXを推進するのか?

*³出典元 テックファーム社より 不足する「DX人材」に必要なスキルや確保の仕方

*⁴出典元 日系BP社より  ジョブ型でIT人材獲得 DX推進の切り札に

*⁵まずは会社のメンバーになってもらい、そこから適性を見出していく日本従来の雇用制度
*⁶ポストごとに職務内容を明確に定義し、それに基づいた配置や採用を行う雇用制度

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