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自称“面接素人”が、自社の環境にフィットする仲間を見つけるために取り組んだこととは?

居酒屋とテイクアウト専門店を、6店舗運営する飲食店様がいらっしゃいます。
応募もあり、採用も比較的好調でしたが、課題はアルバイトの定着率。
退職していくスタッフのことで、いずれかの店舗が常に頭を悩ませている状態でした。


人材不足による店舗内のスタッフ同士でのトラブル、お客様からの叱責…。
そして何といっても、一生懸命教えたのに3ヶ月も経たずに辞められてしまうことは、機会費用の損失だけでなく、教えたスタッフも少なからずショックを受けるものです。

面接の精度と共に定着率を底上げしようと思っても、6店舗全てのアルバイト採用に社長が携わるわけにもいかないため、面接には各店舗の店長が対応することになります。

面接のノウハウがない店長陣にヒアリングをすると、
「学校に6年間無遅刻無欠席でいっていたから採用を決めた」
「以前活躍していたスタッフに似ているので大丈夫だと思う」
「たくさん稼ぎたいと言っていたので、仕事を覚えるのも早いと思う」

など、採用理由はどれも決定打に欠けるものばかりです。

しかし、短期で面接力を向上させる方法など分かりません。他に良い打ち手はないものかと考えていました。


そこでお客様と試みたのが、以下の要件に該当するスタッフのリストアップです。

◆半年以内に退職したスタッフ

◆半年以上続いたけど、何らかの問題があったスタッフ

リストアップしたこれらスタッフを、属性でグルーピングしていくと、
テイクアウト専門店のA店では、【男性×10代・20代】の9割が戦力化する前に退職。
同じテイクアウト専門店のB店は、【男性×50代以上】が既存スタッフと上手くやっていけずに退職。
居酒屋のC店では【女性×40代以上】が一人も残っていない。
セントラルキッチンの役割を担うD店は【男性・女性×10代】はほぼ在籍していません。
上記のような事実が判明しました。

改めてこれらを認識すると、各店舗のカラー(店長やベテランスタッフの性格、お店の忙しさや全体の雰囲気)に合うか合わないかが重要という、当たり前の事実がありました。


以上をもって、面接官には、該当する属性の応募者が自店舗の面接に来た際は、最初からダメとするのではなく、「うちはこういうお店ですが大丈夫ですか?」と、過去に在籍していたスタッフが苦痛に感じていたであろう部分を確認し、“よほど好感触でない限り採用しない”というルールを取り決めたうえで、採用活動を行っていただきました。
 
その後、半年サイクルで計測した結果は、定着率はこれまでに以上に向上し、
既存スタッフとのトラブル件数も激減しました。


活躍できる人材を面接で見極めるのは、本当に難しいことです。
この取り組みだけで全てを解決できるわけではありませんが、基準を持たずにフィーリングだけで判断し、結果として同じことを繰り返すのであれば、一度これまでを振り返り、採用基準を明確にして面接に反映させるのも良いでしょう。

 
 
 
 

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