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2022.11.18

新型コロナで激変の3年間が終わり、24卒は新しい新卒採用の時代へ

◆コロナ禍での就職活動

2022年10月7日に就職みらい研究所から就職プロセス調査がリリースされました。

10月1日時点の内定率は93.8%と昨年とほぼ同等の水準となりました。

ただ、このグラフで注目したいのは過去3年間の比較を見ることができる点です。

2年前、ちょうど21卒学生の就職活動がいよいよスタートという3月には、当時はまだ未知のウイルスであった新型コロナウイルスが日本でも感染者が増えはじめ、4月には緊急事態宣言が発せられました。
企業も学生もとまどい、コロナ前と比べると学生の内定取得時期も遅れた傾向がありました。

昨年の22卒の年では、企業側がオンラインでの選考体制にも順応しはじめ、6月1日時点では68.5%とコロナ前の20卒時の70.3%に近いスコアが出ています。

そして今年の23卒はまさに「早期化」といえる現象が起きました。
それは、3月1日時点での内定率が20卒/8.7%が、23卒/22.6%と大幅に増加したことです。ちなみに6月1日時点では20卒/70.3%、23卒/72.1%と同水準でした。

この「早期化」背景には
「学生がオンライン授業で時間的な余裕があった」
「インターンシップ期から活動を始める企業が増えた」
「21、22卒時に採用を手控えてた企業が選考を再開した」
などさまざまな要因があると言われていて、そのどれもが正解だと思います。

ただ、23卒学生の視点で考えてみると、2年上の先輩の混乱、1年上の先輩の慣れないオンライン面接を見ていて、「これは早めに動かないと!」という焦りに近い心理が、早めの就職活動の開始という行動に結びついたのではないでしょうか? 


◆24卒(見込み)学生の学生生活は?

さて、それでは今まさにインターンシップ期である24卒学生はどう動くでしょうか?
6月のインターンシップ開始からこの10月までの期間では、23卒に比べて動きが鈍いという声を耳にします。

それはなぜでしょう?
24卒の学生は入学当初からずっとオンラインなので、いわゆる「ガクチカ」に書けるエピソードがなく、4月から行動制限も緩和され、対面授業で学校にいくことも増え、旅行やキャンパスライフを優先させていると言われています。

でも、23卒の先輩の就職活動をクチコミサイトで見ていたら、どういう心理になるでしょう?
きちんと活動していれば6月を前にして複数の企業から内定がもらえるという情報が目に留まっていたとすると、「そこまで焦らなくても…」という心理になっていてもおかしくありません。

◆採用成功に導くために

ここ数年、外部環境の変化による選考方法の変更、学生の意識の変化など、各企業採用担当の方のご苦労は大変なものがあったと推察されます。
この24卒の採用を成功に導くための特効薬はありませんが、ケアするポイントはあると思います。

①早期化
24卒も内定を早期に取得する学生は23卒と同水準かそれ以上になると見立てた時、当然複数の企業から内定をもらうでしょう?

 その時、一人でも多くの学生に自社を選んでもらうためには、学生とのコミュニケーションの頻度を多くし、相互理解を深めていくことが大切です。

②オンライン化
オンライン化は今の学生にとってはホームフィールドのようなものです。企業側がどのくらい学生のリテラシーに近づき工夫をするかがポイントになるのではないでしょうか。

企業の情報収集には何を使っているのか?
連絡手段は何が適切なのか?
もはや対面で会う機会はなくてよいのか?

などは検討の余地があるかもしれません。

このコラムがよりよい採用成功につなげるヒントになれば幸いです。

 

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